■ 学年の特徴と発達段階に応じた指導

低学年 「活動そのものを全身で楽しむ」
・意味がわからなくてもインプットされたものをそのまま受容する。        
・日常的な表現の口慣らしができる。                      
・身体を動かしながら大きな声で飽きずに歌やチャンツを繰り返し,リズムを楽しむ。 
・聞いた通りまねをするのが上手で,絵本もCDのリズムに乗って覚えることができる。
・聞き取りのおもしろさを体験させるのによい時期である。            
指導のポイント
  • 体を動かしながら英語に楽しく触れる活動を多く用意する。
  • 英語のリズムや発音など音声に慣れ親しむことができるよう,歌やチャンツ,絵本などを活用する。 また,基本的な 単語や表現は繰り返し行う。
  • 聞くことが意味のあるインプットにつながるように,絵や動作を使う。 そして,聞くことが理解につなが る英語の与え方を工夫する。
  • 先生や友だちと英語を使ったゲームを楽しむ体験を行う。

中学年 「聞いたり答えたりする会話運びを楽しむ」
・「9才の壁」の時期にあたる。また,音声習得のピークにあたる。         
・英語でのコミュニケーションに対する関心が高まり,会話のやりとりを楽しむことができる。
・身体を動かし,ジェスチャーをしたり踊ったりするのが得意。           
・口調の楽しいリズミカルな教材が向いている。                  
・気に入ったものはリズム・イントネーションをつけて暗唱することも嫌がらない。 
指導のポイント 
  • 子ども同士が互いに尋ね合ってできるような活動を用意する。その際,自分の言いたいことが多くあるような題材を選ぶ。また,ペアやグループ,全体など,コミュニケーションの相手を工夫する。
  • 子ども同士が英語で聞いたり話したりすることができるよう,会話の場面設定を工夫する。
  • 非言語コミュニケーション手段(ジェスチャー,表情,声色)も交え,自分のことや身近なことを表現する体験を取り入れる。
  • リズミカルな絵本やチャンツを聞いたり,リズムに乗ってみんなで一緒に言ったりするような活動を入れる。

高学年 「自分や相手の考えを伝え合う表現の工夫を楽しむ」
                                        
  ・聞き慣れない部分を「わからない。難しい。」と思うようになる反面,自分の経験を生
   かして類推しようとする。                           
  ・新しいことや未知のことに知的好奇心をもつ。                  
  ・問題解決的タスクを与えると,グループで協力してよく取り組む。         
  ・友人を励ましたり,アドバイスをしたりするなど,児童間のインタラクションができる。
  ・日本語の影響が強くなり,日本語的な発音をしようとする。            
  ・単純な繰り返しは飽きるが,内容が少し複雑でおもしろい教材を与えたり,英語を使っ
   て自分や相手をよりよく知る活動を工夫したりすると,取り組みの意欲が高まる。
指導のポイント
  • 「無理に覚えなくてよい。」ということを伝え,「聞いて,忘れて,また聞いて。」を合い言葉に忘れたら何度でも聞けばよいという安心感を与える。
  • 劇やスキットなどの練習では,文字を使わない代わりに絵カードやビデオ・CD・PCなどのITを活用する。
  • 表現の一部を置き換えたり組み合わせたりして,いろいろな人とコミュニケーション活動ができるような題材や場面を工夫する。
  • 主体的に活動しやすいように,新しい言葉を増やすだけでなく,今まで身に付けてきたことをさまざまな場面で生かすことができるようなタスク活動を取り入れる。
  • Show and Tellの活動を取り入れ,自分のことを表現したり,相手のことを再発見したりするような体験をさせる。
  • 何のためにやるのかという目的意識をもたせたり,コミュニケーションの場や相手を広げたりすることができるように,調べ活動や交流活動との関連を図る。