高松中学校 第1回ESD交流会 於:岡山大学 2016/7/28
岡山大学でおこなった第1回ESD交流会の様子です。
異文化理解・交流と言うことで、マレーシアのムスリムの方々と交流しました。
写真を大きめにしてあります。データ量が多くページが重いことをお詫びします。
※このページは引率教員が作りました。生徒の作るページは後日公開予定です。
最初の顔合わせ(和やかに開始) 確かにここは岡山大学(笑)
最初にハラルフードを見学
大学内の店にはハラル食があるのです
パンやお弁当、カップラーメンまで
○にアラビア文字みたいなのがその印
しきたりにそっていれば日本食も 特別製ではなく市販品だそうです
一緒に食事しました。
※日本の「いただきます」
もちろんハラルフードにも挑戦
※ムスリムの「ごちそうさま」
中学生の自己紹介
全て英語でおこないました
Padも持って行ったのですが、
今回は基本的には紙芝居風に
マレーシアの生活の紹介 試験開始前の様子
(引率者より)
 生徒には「へたでも良いから努力して英語で話しなさい」と、高松中の一日の生活を紹介させる努力を求めました。彼らは、パワーポイントで作ったプレゼンをB4サイズ(カラー)で印刷・ラミネートしたものを使って、見事にやってのけました。相手の方々もメモを取りながら、真剣に聞いてくださいました。

 次に写真の女性(マスニアさん 日本で長く生活されていて日本語も堪能)が、マレーシアの学校生活を紹介してくださり、たくさんの写真も見せて貰えました。右の写真は私が一番羨ましく感じた写真です。これは試験前にムスリムの方々がお祈りをしているものですが、右前列の男性はしてません。マスニアさんは「たぶんヒンドゥーの方ではないでしょうか」とおっしゃってました。同じ教室、同じ学校に多種の民族、異種の宗教が混在していて、その人たちが何の違和感もなく溶け込んで、お互いを尊重した生活していることが非常に羨ましかったです。日本は、島国と言うこともあり、外国人と出会うチャンスが少ないです。だから『外国人=特別(または特殊)な人たち』と感じてしまいがちです。それが全く無く、『色々な人たち・宗教が混在しているのが当たり前』という状況を羨ましく感じたわけです。

 私はニューヨークに滞在したことがあり、そこで公立高校を訪問しましたが、そこでは黒人、白人、東洋人、ネイティブアメリカン・・が混在していても、全く違和感なく、「それが当たり前」と感じられました。同じ私が日本に帰ってくると、電車内で外人を見ると、「(めずらしいなぁ)外人がいる・・」と思ってしまいます。一体なぜなのでしょう。NYから帰ってまだ2日しか経ってなかったのに・・。

 さて生徒たちは一体どう感じたのでしょうか。私も彼らの作るwebページを楽しみにしてます。
場所を変えて話し合い 本物のコーラン
こちらはマレー語の対訳付き コーランを唱えていただきました
(引率者より)
 この頃にはすっかり打ち解けていて、生徒からもたくさん発言できるようになりました。留学生の方々は生徒たちと5,6才しか違わないので、優しいお姉さんという感じでした。本物の(アラビア語の)コーランも見せていただきました。コーランは「クゥラン」と聞こえました。Quranと書くようなので、なるほどでした。コーランを読むために、子どもの頃からアラビア語の読み方を勉強するようです。そのための練習本(子ども用の絵本やドリルのようなもの)も見せて貰いました。最後にコーランを読んでもらったのですが、ある生徒に「一番印象に残ったことは?」と聞くと、『コーランの詠唱』と即答したぐらい本当に美しい調べでした。私は時々グレゴリアン・チャントをCDを聴きますが、それと似た荘厳かつ美しい旋律(音楽ではありませんが)に聞こえました。もし売っているならCDを買って、グレゴリア聖歌のように聴きたいと思ったぐらいです。でもこれは失礼に当たるのかも知れませんね。何が失礼で、何をしても良いかはこれからも勉強していきたいです。
モスクを訪問しました まさかこんな近所にあるとは・・
左上;
 そのままの服でも良いのですが、
 このような服に着替えることもある
 そうです。
右上:
 真ん中の人がリーダーだそうです。
 リーダーは年長者だからではなく、
 したい人がするのだそうです。
左下;
 仏教の「五体投地」のようです。
※こちらは女性用の部屋
男性用礼拝所(広い!) 時計は「お祈りの時間」だそうです
青い服の男性は、私たちが男性用モスクを訪問するためだけにボランティア参加してくださいました。また女性用モスク訪問のために、別の女性がボランティア参加してくださいました。全てマレーシアのムスリムのお方でした。
※こちらは男性用の部屋
(引率者より)
 モスクは女性用の部屋と男性用の部屋が別れており、誰も礼拝をしていなかったため、男女関係なくどちらの部屋も訪問させていただきました。しきたりを体験するためと礼を尽くすため、女子は髪を隠す格好をしました。この訪問のためだけにさらに複数のボランティアの方々にお世話になり、大変ありがたかったです。皆さんとても親切かつ友好的な方々でした。
モスク内に貼ってあった紙。コーランの一節だそうです。私が「お釈迦様の言葉と同じだ」と言うと、コーディネータの方が「聖書にも同じ(内容の)言葉がありますね」

どの宗教も、教えに大きな違いは無いのかも知れませんね。
 この企画を考え伝えたとき、「イスラム教徒」と言う言葉を聞いて、生徒の中にはドキドキした人もいました。イスラム教に関して今の日本で知り得る情報はわずかであり、かつ偏っているでしょう。テロとかISと結びつけた人もいたと思います。私は「TVやラジオ、本やネットで得た情報と、実際に会って、その目を見て、体温を感じるような交流をしたのとは全く違うはず。それを自分の身でもって経験しなさい。」と伝えました。彼らは実際どう感じたのでしょうか。この経験を周りの人たちにどう伝えていったでしょうか。この日帰ったら、必ず家族の人たちに話しなさいと言ってあります。10/29には彼らに発表させたいと思ってます。その日は土曜授業日で、生徒と保護者が一緒に参加する教育講演会があります。その時に発表予定です。
 
 最後に私が印象に残ったことを

Q:食べ物や服装などの制限があって面倒と思いませんか。
A:その決まりに従っていれは自分を守ることができます。(決まりには意味があり、それを守ることで)安全に生活することができます。(髪の毛を隠すあの格好は)誇りです。

Q:今は日本でもハラル食も手に入るし生活しやすいでしょうけど、30年も前にイスラム圏でない日本に来て生活しようとなぜ試みたのですか。
A:知らない場所に来て生活するのは大変です。それでも努力して、頑張って、自分に挑戦していくのがジハードなのです。

 私は ジハード=聖戦 と教科書で習い、イスラム教のために戦うことを指すのだと思ってました。教えていただいてやっと真実に触れられたと感じました。また、「イスラムの教えでは自分の身体を傷つけてはいけないと言われてます。まして他人の体を傷つけるなどの教えはありません。テロなどを起こす人たち(の考え)は理解できません。私たちは怒ってます。理解できません。」と言われてましたが、私にはその表情からは『あきれている』と感じました。これを読んでくださった人にも、自らの直接交流で感じて理解していただけたら嬉しいです。

 今回の交流に尽力していただけた全ての方とマレーシアの友人たちに感謝します。ありがとうございました。