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江戸時代になると能は【式楽(しきが
く)】として定められた。格式が重視
され、保守的な傾向が強まった。芸の
統制・演目の固定化で創造性は失われ
たが、それによって演目の中身は工夫
され、細かいところまで洗練された。
これは、現在の能とほぼ同じ。
 基本的に新作は作られなかった。演
目は固定されていたが、埋もれた作品
の復曲はされていた。
平民が能に触れ合う機会は減ったが、
謡は人気となり能の『言葉』は一般的
となった。
江戸時代後期の観世元章(かんぜもと
あきら)により、現在も見られる演出
が出来上がった時代でもある。