明治維新で能は庇護者を失い、廃業・断
絶が後を絶たなかった。しかし、厳しい
時代を積んだ能楽師が現れ、能の芸質は
高まった。ある意味能の黄金期と言える。
二十世紀初め、能はヨーロッパにも紹介
される。西欧の演劇関係者の関心を引き、
アイルランドの劇作家が影響を受け、
舞踊詩劇ができたほどだった。(これを
もとに新作能が作られた)
能はその後も世界に広がっていき、平成
十三年五月にはユネスコの第一回人類の
口承および無形遺産に関する宣言として
発表された。
戦後になると、能が再構築・見直しされ
た。シテだけでなく、地謡にも力が入れ
られ、現在の能楽界につながった。
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